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今秋、ゴッホの絵が動き、語りだす!
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Introduction

芸術の秋を彩る、まったく新しいアート体験が、ここにある。

燃えあがるような情熱を感じさせる個性的な筆致で、いまも世界中の人々を魅了してやまない天才画家フィンセント・ファン・ゴッホ。彼ほど多くの伝説と謎に包まれた芸術家は、ほかにはいないだろう。弟テオの献身的な援助に依存していた。ゴーギャンとの共同生活が破綻したことで精神を病み、自分の耳を切り落とした。生前はたった1枚の絵しか売れなかった。好色家、狂人、天才、怠け者、探求者……。さまざまなレッテルを貼られたゴッホの人生は、いまでは彼が書き遺した手紙の中から解明され、神格化されている。その人生はすでに何本かの映画でも描かれてきた。しかし、私たちはゴッホの実像を本当に知っているのだろうか?

「我々は自分たちの絵にしか語らせることはできないのだ」と。ならば、彼の絵に語らせるべきではないか? ゴッホへの敬意から、前人未踏の大胆な手法でその人生を描き出した『ゴッホ ~最期の手紙~』は、驚嘆に値する革新的な芸術だ。なんと本作ではゴッホの謎に満ちた死の真相が、ゴッホ自身の絵によって描き出される! 全編を構築しているのは、125名の画家たちの筆でゴッホのタッチを再現しながら描かれた“動く油絵”。つまりゴッホの絵画が動き、ゴッホ自身の人生に迫る圧巻の体験型アート・サスペンスなのである。

ゴッホは、テオに書いた最期の手紙でこう書き記している。
描かれるのは、郵便配達人である父からゴッホの手紙を託された青年アルマンが、ゴッホの真実を求めて旅をする物語。

一般的には銃による「自殺」とされているゴッホの死だが、そこには説明のつかない、不可解な事実が隠されている。ゴッホが遺した手紙をきっかけに、アルルからパリ、そして彼が最期の日々を過ごしたオーヴェールに行き着くアルマンとともに、観客はゴッホの描いた絵画の世界へと誘われ、入り込んだような感覚を覚えるだろう。映画はゴッホの人生を探す旅を、ゴッホ自身が描いたとしか思えない油絵で描写し、伝記的な回想部分はモノクロの水彩画で表現。肖像画で見たさまざまな登場人物がゴッホを語り、彼の情熱、孤独、愛、そして驚くべき人生が浮かび上がる。37歳という若さで、彼はなぜ命を絶たなければならなかったのか? 彼は本当に自分の腹を銃で撃ったのか? そして、彼が最期に見たものとは? アートがもたらす快楽と、スリリングに進んでいく謎解きの興奮、そして次第に姿を見せる偉大な画家の魂は、見る者の心を激しく揺さぶらずにはおかないだろう。

気が遠くなるような制作過程を踏んだからこその魅力にあふれている。映画はまず、俳優たちが役を演じる実写映画として撮影された。俳優たちはゴッホの絵画に似せて作られたセットで、あるいは撮影後にCGアニメーションでゴッホの絵と合成させるためのグリーンバックを背景に演技を披露。それをとらえた映像は特別なシステムでキャンバスへ投影され、長期にわたる特訓でゴッホのタッチを完璧に習得した画家たちの筆で油絵に。各国から選ばれた画家たち(日本人画家、古賀陽子も参加)は各俳優の特徴を残しつつも、絵画に登場する人物の風貌や雰囲気をうまく混ぜ合わせ、動く肖像画へと生まれ変わらせた。本編の1秒は、12枚の油絵を撮影した高解像度写真によって構成されている。こうして豪華キャスト陣の名演と、それを元に描かれた62,450枚もの油絵が、ゴッホの世界に新たな生命を吹き込んだのだ。

アーティストたちによる情熱の結晶である本作はまた
アートの一部となった俳優たちは、ゴッホの絵と似た風貌・雰囲気の評価も込みで選ばれた、才能豊かな面々。

イギリス映画界が誇る若手実力派、ダグラス・ブース(『ノア 約束の舟』)、シアーシャ・ローナン(『つぐない』『ブルックリン』)、ヘレン・マックロリー(『ハリー・ポッターと死の秘宝』)、クリス・オダウド(『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』)、エイダン・ターナー(『ホビット』三部作)らの演技には、きっと感銘を受けずにはいられない。監督と脚本を手がけたのは、画家の顔と映画作家の顔を併せもつドロタ・コビエラと、『ピーターと狼』(08)でアカデミー賞短編アニメーション賞に輝いたヒュー・ウェルチマン。撮影監督は『ファンタスティックMr.FOX』のトリスタン・オリヴァーと、『イーダ』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされたウカシュ・ジャル。また、音楽を『ブラック・スワン』など、ダーレン・アロノフスキー監督とのコンビで知られるクリント・マンセルが手がけている。主題歌を歌うのはUKソウル界の若き歌姫、リアン・ラ・ハヴァス。